1. ホーム
  2. 結核

病院や学校での集団感染の話題を耳にした時、他人事と思っていませんか?

結核集団感染が多発

日本の結核は、国民生活の向上、国を挙げて行った予防及び、治療対策とあいまって、1950年以降、順調に現象してきました。
しかし高齢者と共に、20~30代の若年者の発病が増加しています。近年の私達をとりまく社会状況の変化に伴い、結核罹患率の減少速度の鈍化、大きな地域格差、医療機関や施設内集団感染の多発、多剤耐性結核など様々な問題が起こっており、再興感染症として再び注目すべき病気となっています。

医療機関と結核

医療機関は結核患者を含め、様々な病気の患者や広範な社会分野の人々が集まるところであり、結核菌保菌者から感染を受けやすい場でもあります。同時に免疫の低下した患者、乳幼児、高齢者が多く入院しており、もし病院に携わる職員、学生等が結核に罹患した場合、院内感染の感染源になりやすいのです。自分達は”ハイリスクグル-プ(結核発病の恐れの高い者)”であると同時にデンジャ-グル-プ(感染させる可能性が高い)という自覚を持ちましょう。

結核ってどんな病気?

結核菌を吸い込むことで起きる感染症です。

結核は、結核患者が咳やくしゃみをした時に飛び散るしぶきの中の結核菌を吸い込むことによって感染します。
家族や親しい友人など結核患者の近くにいる人にうつりやすいです。

感染した人の発病率は10~15%

感染!すなわち発病ではありません。結核に感染しても、免疫の働きで発病は防がれます。免疫力の低下している人、糖尿病などの病気に罹患している人は発病する危険性が高くなってきます。また感染時に発病しなくても、菌が休んでいる状態なので、体が弱くなった時に眠っていた結核菌が活動し始め発病する場合があります。

感染性結核と非感染性結核があります

結核を発病したからといって、すべての結核患者が他人に感染させる危険性を持っているわけではありません。
  • 感染性結核:咳やくしゃみ、痰などの中に結核菌が多量に含まれいます。
  • 非感染性結核:咳などしても、その中に結核菌がほとんど含まれていません。
しかしきちんと治療しないと感染性のものになる可能性はあります。

感染と発病を防ぐためには

普段から免疫力を弱めない生活をしましょう

  • 十分な睡眠をとる
  • 適度な運動をする
  • バランスのよい食事をとる
※無理なダイエット、夜更かし、運動不足などは免疫力を低下させます

本学での結核検診

胸部X線撮影

医学部・看護学部学生は4,5月の定期健康診断で、教職員は10月の定期健康診断で毎年全員に直接撮影を実施します。

Tスポット検査

Tスポット検査はBCG接種の影響を受けずに感染診断をすることが可能で、医療従事者の結核感染対策において有用な新しい検査方法とされています。
本学では2007年度よりツベルクリン反応検査からQFT検査、Tスポット検査に切り替え、より精度の高い結核感染対策を行っていきます。
医学部・看護学部1年生は5月、入職者は雇入れ時に検査を実施します。
(財団法人結核予防会「結核の常識2002」から引用)