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ウィルス性肝炎にご注意! 

皆さんもご存知のとおり、ウィルス性肝炎の病原体も逐次解明され、感染経路の究明とともに、その対策も近年著しい進歩がみられています。
国内では、B型肝炎ウィルス(HBV)やC型肝炎ウィルス(HCV)が猛威をふるっており、結核に次ぐ第2の国民病に進展する可能性が大きいと言われています。
医療従事者におけるHBV、HCV主要経路は、感染粒子を大量に含む血液を介して感染するケ-スが多いのです。
つまり血液を取り扱うことの多い医療従事者は、医療行為に伴う偶発事故によって、ウィルス性肝炎を引き起こす危険に曝されています。

医学部・看護学部学生の方も実習などで臨床現場に出る機会が多いため、感染を防ぐ対策が大いに必要です。

針刺し事故とウィルス性肝炎

医療上の感染事故のうち、最も多いのは、血液材料で汚染された鋭利器材で自分に突き刺したり切ってしまう「針刺し事故」です。
アメリカを初め、日本でも感染症に対する対策が発展し、本学でもウィルス肝炎対策小委員会が発足し、予防対策が講じられています。
しかし年間50件前後事故件数として報告が上がっており(本学平成12~14年資料)、注意を払っていても、安易に起こりやすい事故として、危険性は大きいと言えます。
そしてこれらの針刺し事故は、B型肝炎、C型肝炎をはじめ、血液由来病原体への致命的な感染を数多く引き起こす可能性があります。

→1回の針刺し事故によって感染する確立  HBV⇒6~40% HCV⇒約1.8%
(「セ-フティマネジメントのための針刺し対策」メディカ出版から引用)

HBV、HCV感染を防ぐには

① HBs抗原、HBs抗体、HCV抗体の測定を行い、自分のHBV、HCVの感染状況を知っておく。
※ HBs抗原抗体が陰性の場合は・・・

B型肝炎ワクチンの接種を受けると、感染率は大きく低下します。
※ HCV抗体が陰性の場合は・・・
C型肝炎に関するワクチンは今のところありません。

② 定期的に血液検査を受け、健康管理に努めましょう。

③ 針刺し事故など感染事故防止に努めましょう。

B型肝炎ワクチン(HBワクチン)について

① ワクチンに対する生体のHBs抗体反応は、若いほどよく反応し、抗体価の上昇も良好。
抗体の持続も長いということになります。

② 針刺し事故は、入職後2~3年内に多く、同じ人での再発が多いことが調査で明らかになっています。