活動事例紹介

SDGsの視点からみた半月板再生と関節温存の取り組み
【大阪医科薬科大学病院 整形外科】

本院・整形外科におけるこれまでの研究と臨床活動は、「すべての人に健康と福祉を(SDG3)」の実現を目指し、関節機能の温存と生活の質向上に貢献することを目的としてきました。特に、従来は切除されていた修復不可能な半月板損傷に対し、自己修復を促すポリグリコール酸を主成分とした半月板スキャフォールドを開発し、国内初の臨床試験を主導しています。
これは、再生医療の実用化という観点からも(SDG9)に資する取り組みです。また、若年から高齢者まで幅広い層に対し、人工関節に頼らず自身の関節を守る「関節温存手術」を推進することで、超高齢社会においても自立した生活を可能にし、医療費抑制にも寄与できる可能性を秘めています。
今後は、国内外の医療機関と連携し、技術と知見を共有することで、持続可能で公平な医療の提供を目指し、「パートナーシップで目標を達成しよう(SDG17)」の理念も体現してまいります。

 

開発した半月板scaffold

図1.開発した半月板scaffold

変性した半月板

図2.移植前:変性した半月板

生着した半月板

図3.移植後1年:生着した半月板