理事長メッセージ

医学部・薬学部・看護学部を擁する医療系大学、中学校・高等学校そして大学病院等を設置し、「社会の公器」としての役割を担う本法人は、遡ること約1世紀前、大阪医科大学の前身である大阪高等医学専門学校と大阪薬科大学の前身である大阪道修薬学校が実学の府として開設されました。大阪高等医学専門学校を設立した吉津度は、設立趣意書で「国際的視野に立った教育研究及び良質な医療の実践を通して至誠仁術の医療人を育成する」という内容の理念を示しています。この理念の下に、本法人では早くから社会貢献活動を重視し、持続可能な社会の発展や、地域社会との信頼関係構築を図りながら、本冊子(第5版)の表紙に掲げるスローガン、「生まれるいのち・繋ぐいのち・輝くいのち(INOCHI)」の考えを全員が理解し、大切にしながら、日々社会貢献・SDGs活動を推進しています。
今、世界中の国と国の垣根がなくなりグローバル化が急速に進展する中、世界各地で起こっている紛争や、地球温暖化が影響していると考えられる自然災害、プラスチックの海洋投棄や化学薬品廃棄等が原因と考えられる環境汚染、貧困や不平等、生物多様性の喪失など、様々な問題が地球規模で顕在化しており、アカデミアのみならず、地球に住むすべての人々がこうした問題に真剣に向き合う必要性が今まさに到来しています。こうした様々な問題に対処するべく2015年9月に国連の「持続可能な開発サミット」においてSDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)」17の目標が全会一致で採択されました。本法人におきましても、世界の潮流を敏感に察知しながら取り組み可能なSDGs目標を絞り、問題の解決策を工夫しながら活動を進めており、こうした活動が学校法人経営のみならず大学・学校・大学病院等の運営や教職員、学生・生徒の日々の活動においても大きな付加価値をもたらすものと考えています。
現在、本法人は経営や大学運営など様々な局面で改革を進めておりますが、教育、研究、医療といった本来のミッションに取り組むだけでなく、社会貢献・SDGs活動にも積極的に取り組んでいることは、これまでに発行した「サステナビリティ活動冊子」や「社会貢献・SDGsサイト」などを通じてお知らせしております。大阪医科薬科大学は、2020年度より「国連大学SDG大学連携プラットフォーム」に参画し、SDGs活動を積極的に推進する国公私立大学(2025年度は22校が参加)と連携を進めながら研鑽を重ねています。また、本法人は2022年4月、社会貢献・SDGs活動をより積極的に推進するために「社会貢献・SDGs推進室」を設置しました。設置後4年目となる本年度は、法人内全部署から約200件の「社会貢献・SDGs活動計画・目標」が提出されたことは本活動が法人内で定着していることを示しています。本法人ではこれからも社会貢献・SDGs活動を推進しその情報を学内外のステークホルダーに積極的に公開し、意思疎通による相互の信頼感醸成に務めてまいります。