活動事例紹介

つくる責任、つかう責任
【大阪医科薬科大学病院 病院薬剤部】

適正な薬物治療管理、医薬品の安定供給、医薬品ロスの削減は、薬剤師の重要な使命です。コロナ禍以降、出荷調整や自主回収の影響により多くの医薬品に供給不安が生じており、その回復には数年を要するとも言われています。当院においても、医薬品の確保に日々奔走している状況です。
医薬品ロスの削減に関しては、薬剤部主導で構築してきたSPDシステムによりデッドストックの解消を図るとともに、薬剤師による疑義照会や処方提案を通じて不要な処方を抑制するなど、一定の成果を上げています。適正在庫管理の徹底や、使用期限・保管状態の定期的な確認による無駄な廃棄の防止、処方監査による重複投与の防止や処方の適正化、さらには患者の服薬状況の把握など、薬剤師の役割は極めて重要です。また、医薬品の破損・廃棄削減を目標として業務フローの改善にも継続的に取り組んでおり、2024年度の破損・廃棄薬剤金額累計は前年度から約80万円の減額、廃棄率は全医薬品購入額の約0.1%に抑えられており、他施設と比較しても低水準を維持しています。
今後は、患者参加の視点にも注目し、残薬の報告や服薬状況の共有を通じて、治療の適正化と医薬品の有効活用にさらに貢献していきます。患者自身が薬に関心を持ち、無駄を減らす意識を育むことは、持続可能な医療提供体制の構築につながります。加えて、地域フォーミュラリーの導入やポリファーマシーの改善にも、引き続き積極的に取り組んでまいります。


主な破損・廃棄事例および、破損・廃棄薬剤金額累計

定数配置薬管理運用



最終的な目標