活動事例紹介

ジェンダー平等 ~女性医師、女性研究者の働き方改革の実践~
【女性医師・研究者支援センター】

医師の働き方改革の一環として2018年に女性医師支援センターがスタートして以来、女性医師がキャリアを継続するための体制整備や制度設計等を行ってきました。本年度(2021)は新型コロナウイルス感染症の更なる急拡大による保育所や幼稚園、小中学校の閉鎖により子供を学童保育施設等に預けざるを得ない女性医師等に対して費用の一部を負担する制度やベビーシッター利用割引券の特例措置など緊急対応として実施いたしました。
またこれまで取り組んできました育児支援を更に充実するとともに新たに復職支援・研究者支援へと幅を広げてきました。
まず復職支援ですが、出産、育児、介護、配偶者の転勤等でキャリアの継続が困難になる女性医師は多く、一旦、臨床現場を離れると受け入れ体制が脆弱であるが故に復帰したくても復職できない事案が多いことがわかりました。
センターでは秋には“グリーンアップルプロジェクト”と称して、本学のホームページを通じて職場復帰を望む女性医師に復職支援プログラムなどによる支援策を発信することとしました。発信後、間もないのですが復職を希望する女性医師からの相談もあり、今後も本院のみならず市中病院への復職にもつながる取り組みと考えています。
次に研究者支援ですが、2022年1月に「女性医師支援センター」から「女性医師・研究者支援センター」へと改組され、女性研究者が対象に加わりました。2月18日に女性研究者のニーズを把握する為に学内交流会を開催し、WEB参加の女性研究者10人と会場参加のセンター員8人からは活発な意見交換や女性研究者からの要望等があり、センターに寄せる期待の大きさを痛感しました。
次年度(2022)は実質、女性医師・研究者支援センター発足“元年”として位置づけし、主に女性研究者を対象に以下の3項目を考えています。
まずはスキルアップ支援です。既に2021年度に一部支援制度はスタートしていますが、次年度は妊娠・出産、育児、介護を抱える女性研究者のスキルアップ支援策を加速化させます。
次に意識啓発・広報です。多様な人材が活躍できる職場を目指して全教職員、学生等を対象にセミナーや講演会、交流会等を開催したり、ホームページ、リーフレット、ポスター等を通じて広報活動を充実させます。
最後に相談窓口の設置です。2022年2月に女性医療人コーディネーターを配置し、次年度から本格的に活動予定です。女性研究者からは育児介護支援、保育支援、研究支援、復職支援の支援相談窓口としてワンストップで対応できることから大きな期待が寄せられています。
今後は研究者でもある女性医師も含めて、キャリアを維持継続できる職場環境作りを目指して活動を行っていきたいと考えています。

 

学内交流会の光景

ヒアリングのために医局を訪問