活動事例紹介

高槻市における地域の自主的運動グループおよび近隣環境と要介護状態との関連を調べる共同研究【医学研究支援センター医療統計室】

高槻市では2006年より市民の介護予防の促進を目的に「高槻ますます元気体操」というオリジナルの介護予防体操を開発し、その動画DVDの貸し出しやウェブ配信により普及・啓発を行っています。活動しているグループに対して、その回数などに応じて、インセンティブを提供する介護予防事業です。市内約200ヵ所にこの体操に自主的に取り組む運動クラブが存在しており、その活動拠点や頻度、参加人数を長寿介護課が把握しています。
この「自主的な運動グループの活動拠点がたくさんあるエリアの健康指標はよいのか?」という問いに答えるため、高槻市長寿介護課の協力を得て、活動拠点データと、要介護認定データを分析しました。高槻市に居住する65歳以上の要介護度2以上と認定されている方の割合を小地域ごとに算出し、居住地の町丁字から半径300m以内にある自主的な運動グループの個数との関係を検討しました。
居住する地域から半径300mの範囲内に活動拠点が0個のグループの要介護2以上の方の割合は、男性8.1%、女性12.4%で、活動拠点が1個ある地域では、男性7.7%、女性12.0%、2個以上ある地域では男性7.5%、女性11.5%と、グループの個数が多いほど、要介護2以上の方の割合が低いことがわかりました。
地域の社会経済指標や徒歩で様々な施設にアクセスできるエリアかどうかを示すウォーカビリティ指標などの影響を考慮しても、活動拠点が0個の地域に比べて、1個 の地域、2個以上の地域における要介護2以上の状態の人の割合は男女とも低い傾向が見られました。
本学医学部3~4年次のカリキュラムである学生研究において、学生もともに本課題に取り組み、スーパーマーケットや病院、公園などの近隣環境と要介護2以上との関連を検討し、発表しました。今後、長寿介護課との協働により、住民の皆様にも研究の結果を見ていただき、「住むだけで健康になれるまちづくり」に必要な改善点などをともに検討していきます。

連携:高槻市長寿介護課、大阪医科薬科大学 医学部社会 ・行動科学教室、衛生学・公衆衛生学教室、 高槻市長寿介護課、東北大学、広島大学、大阪大学

 


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