行動指針

はじめに

世界中の国と国の垣根がなくなりグローバル化が急速に進展する中で、国際問題の顕在化や地球温暖化による環境破壊、パンデミックの発生など、地球規模の問題に対して、いま真剣に向き合うことが求められています。社会の潮流を敏感に察知し、様々な問題について考え工夫し解決していくことは、法人経営のみならず、大学・学園、病院の運営や教職員、学生・生徒それぞれの活動においても大きな付加価値をもたらすものと思います。
現在、本法人は経営や大学運営など様々な局面で改革を進めておりますが、教育、研究、医療・診療といった本来のミッションに取り組むだけでなく、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいることは、これまでに発行した「サステナビリティ活動冊子」や「社会貢献・SDGsサイト」などを通じてご承知の通りです。この社会貢献活動に関する大きなトピックである、2015 年 9 月に国連本部で開かれた「持続可能な開発サミット」において採択された「持続可能な開発(発展)目標(SDGs=Sustainable Development Goals )」を理解し実践することは、これからの社会貢献活動を進めていく上で重要です。本法人はこのSDGsの考え方に共感するとともに、自らの活動においては、持続(継続)可能な社会貢献活動が重要であると考えています。本法人は2020 年度後半より「国連大学SDG大学連携プラットフォーム」に参画し、他大学とともに活動し、研鑽を重ねています。また、2022年4月には「社会貢献・SDGs推進室」を設置し、社会貢献・SDGs活動を積極的に推進するとともに、これからも関連情報をステークホルダーの皆様方と積極的に共有してまいります。

学校法人大阪医科薬科大学
理事長 植木 實

本法人の「社会貢献活動」に関する考え方

大阪医科薬科大学の
「建学の精神」との関わり

遡ること約1世紀前、大阪医科大学の前身である大阪高等医学専門学校と大阪薬科大学の前身である大阪道修薬学校が実学の府として開設されました。大阪高等医学専門学校を設立した吉津度は、設立趣意書で「国際的視野に立った教育研究及び良質な医療の実践を通して至誠仁術の医療人を育成する」という内容を描いています。この理念の下に、本法人では早くから社会貢献活動を重視し、持続可能な社会の発展や地域社会との信頼関係の醸成を行ってきました。

社会的責任

医療系総合大学・学園、病院であり、「社会の公器」の役割を担う本法人は、学校法人経営を通じて社会的責任(SR=Social Responsibility)を果たしています。社会的責任の実践にあたっては、国際標準化機構
(ISO)発行の「ISO26000 ガイドライン」の 7つの中核主題(組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティへの参画及びコミュニティの発展)の中で、日々の活動に関わりが深い領域に関する現状把握や問題分析・改善などを着実に遂行することが重要です。特に補助金等を主たる経営原資としない学校法人経営においては、強固な財務基盤の構築や適切な組織運営を果たすためにも社会的責任の着実な実践は非常に重要となります。

社会貢献と地域還元

本法人では、本来のミッションとして取り組む教育、研究、医療・診療を通じて社会的責任を果たすことができる活動を社会貢献と捉えています。
加えて、雇用の創出、富及び所得の創出、社会への投資など、本来のミッションとは別に、経営活動や教職員、学生・生徒が果たすボランティア活動などの付加価値的な活動や成果物を地域還元として捉えます。

SDGs=Sustainable Development Goals

2015年9月、国連本部で「持続可能な開発サミット」が開かれ、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ(行動計画)」が採択されました。具体的には、「持続可能な開発(発展)目標(SDGs=Sustainable Development Goals)」として 17 の目標、169 のターゲットが設定され、日本を含むすべての国々は2030年までにこれらの目標を達成するものとされています。本法人もこのアジェンダに共感することから、 SDGs の考え方を取り入れた社会貢献活動を推進していきます。 SDGs17の目標の中で、医療系総合大学・学園、病院として日々の活動と関わりが深く、本来のミッションである教育、研究、医療・診療を中心に、働く女性が多い職場での性別を理由にした機会や意思決定への参画の不平等をなくすためのジェンダー平等への配慮など、教職員や学生・生徒にとって、日々の活動に密接なテーマを選択し、取り組むことが求められます。

2022年 4 月