大阪医科薬科大学 サステナビリティ活動 2021
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「医療」と「教育実践」に「研究」を融合させた新しい「LD治療」のかたち【小児高次脳機能研究所/LDセンター/小児科学教室】上の支援機器等教材研究開発支援事業競争的資金を得て、『見る力』を育てるビジョン・アセスメントWAVES及び補足教材デジタル版の開発や、学校で使うLD(Learning⦆disability)の判断と指導のためのスクリーニング・キット(SKAIP)の開発を行いました。 加えて、本活動をさらに活発化させ、多くの人々の期待に応えるために、産業技術総合研究所や海外の研究機関、他大学(藍野大学、東北大学)、LD学会などと行っている共同研究を推進する必要があり、2017年8月、小児高次脳機能研究所を開設しました。本研究所では以下に掲げる活動を通じて、エビデンスに基づく教育やリハビリにおける評価・指導・訓練、医療における治療法を開発・普及させ、社会貢献に繋げています。1.小児神経分野が関与する領域で特に「学習」に  主眼をおいた高度な研究・臨床2.これまでに類のない医療と教育の連携、ICT技  術の融合による新たな研究・開発3.研究成果やデータの集約、関連研究者への支  援・情報提供、研究のコーディネート LDセンターには2001年の開設以来、発達障害児(LD、AD/HD、ASD)の診断手法として、医学的見地から「神経心理学的方法」を用いて詳細に分析し、学習指導に活用してきました。ここでは、学習障害(LD)児に適切な診断の下に適切な読み書き指導することにより、自己肯定感も維持され、学校にも適応できることが実証されました。また、言語コミュニケーションに課題を持つ子のコミュニケーション力向上を目的に「幼児教育」を行って学校に適応させてきましたが、これにより、障がいのある子もない子同様に、質の高い発達を遂げ、初等教育を受ける準備を整えることができています。その他、「LDセンター」の役割の一つとして、直接指導できる児童だけでなく、全国から教員や保護者が参加する研修会、講演会を企画し、年間約5,000名(開催回数約50回/年)の方々が受講されています。 これらの成果によって、2017年度、2018年度に文部科学省から委託事業案件として採択され、その成果を「学習上の支援機器等教材活用評価」として報告しました。また、文部科学省から学習431SDG2SDG4SDG5SDG6SDG7SDG8SDG10SDG11SDG12SDG13SDG14SDG15SDG16SDG3SDG9SDG17SDG

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