大阪医科薬科大学 サステナビリティ活動 2021
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がん診療連携拠点病院(高度型)線治療は高精度放射線治療を中心にBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)にも取り組み治療成績の向上に努めています。がん薬物療法は、従来からの化学療法に加え、分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害剤を中心としたがん免疫療法の導入、早期開発臨床試験を積極的に実施しています。2018年度にはがんゲノム医療連携病院に指定され、遺伝子パネル検査の臨床導入から個別化治療につながるロードマップを構築しています。■がんと診断されたときからの緩和ケア・支持療法 緩和ケアは、がんやがん治療に伴う身体的な苦痛を取り除くだけでなく、精神的苦痛や社会的苦痛までも軽減できるよう患者さんに寄り添うものです。がん治療のあらゆる段階で適用され、がんと診断されたときから、適切な緩和ケアの介入や意思決定支援が必要とされます。これらの問題に対応できるよう、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、作業療法士、臨床心理士、医療ソーシャルワーカー、事務などの多職種が関わるチーム医療を緩和ケアセンターが中心となり展開しています。  地域を支える高度型がん診療連携拠点病院としての機能を最大限にサポートするのが、がん医療総合センターです。各がん腫の特徴的な集学的治療の取り組みを有機的に円滑に行い、がんに関わる情報集約の機能を担う当センターは2013年6月に設置されました。これにより臓器横断的・診療科横断的・職種横断的ながん診療がますます強化されると同時に、検診受診率の向上への取り組み・がん啓発活動なども展開し各医療機関と協力することで地域連携も深まりました。さらには、Newsweek誌による「World's Best Specialized Hospitals 2021」におけるOncology(腫瘍)部門において、世界のTOP200にランクインを果たしました。今後もより一層、医療圏が一体となったがん患者さんに寄り添うがん集学的医療体制の構築の先陣をきっていきたいと考えています。■地域を支える高度型がん診療連携拠点病院  2019年度における大阪医科薬科大学病院の外来延べがん患者数は144,132人で、新規入院数も7,902件に上ります。高槻市を中心とする三島医療圏内の患者数はその6割弱にあたる4,808件に及び府外、近畿圏外からも非常に多くの入院実績を有し、その割合は着実に増加傾向にあります。文字通り地域のがん診療を支えると同時に、先端的ながん治療と患者意向に寄り添うケアを両輪としたがん診療を提供する当院は2019年度に、がん診療連携拠点病院(高度型)の指定を受けました。■集学的治療で高度ながん医療を提供・ がんゲノム医療連携病院・地域への啓発活動 手術においては、ハイブリッド手術、ロボット手術の導入など最新技術を駆使した治療を展開し新しい中央手術棟の整備も行いました。放射がんになってもその人らしく安心して暮らしていくことを高度ながん医療で支えます【がん医療総合センター】381SDG2SDG4SDG5SDG6SDG7SDG8SDG10SDG11SDG12SDG13SDG14SDG15SDG16SDG3SDG9SDG17SDG

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