大阪医科薬科大学 サステナビリティ活動 2021
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は、母性や父性は生まれながらにもっているものではなく、育児をする中で育まれるものであることを裏付けました。 これらの研究成果は2016年1月と3月に放映された「NHKスペシャル ママたちが非常事態!?」でも取り上げられ反響を呼び、全国の多くの育児期の母親、父親の安心につながりました。また、DVDや書籍化され、育児支援の専門家にも成果を活用していただいています。 当該研究をさらに発展させ、現在母子保健の重要課題である産後うつ予防、いまだ確立されていない父親看護学の研究にも取り組んでいます。今後も親となる人々に加え、それらを支える親継承期の人々を含めた看護に関する研究など、変化する社会のニーズをとらえ、社会への還元性の高い研究を積み重ねていきたいと考えています。~脳科学を基盤とした効果の検証~【看護学部 母性看護学・助産学領域】児童虐待防止のための親性育成看護介入プログラムの開発 近年、大きな社会問題化している少子化対策、虐待予防につながる「親となる人々を支える看護」に関する研究に取り組んでいます。その一つとして「児童虐待防止のための親性育成看護介入プログラムの開発-脳科学を基盤とした効果の検証-」に取り組みました。 きっかけは、出産後、母親は本能的に育児ができて当たり前という、周囲の声に悩む母親たちの存在です。そこで、青年期の男女に赤ちゃんとのふれあい体験を一定期間実施してもらい、体験前後で赤ちゃんの泣き声を聞いた時の脳活動の変化をfMRIで調べました。その結果、体験後は、泣き声を聞いた時「どうして泣いているんだろう」「早く抱っこしてあげたい」など、共感性をつかさどる脳部位が活発化していることがわかりました。 つまり、今まで見ることのできなかった母性や父性を可視化することができました。この結果研究成果を紹介した書籍・DVD311SDG2SDG5SDG6SDG7SDG8SDG10SDG11SDG12SDG13SDG14SDG15SDG16SDG9SDG3SDG4SDG17SDG

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