大阪医科薬科大学 サステナビリティ活動 2021
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整形外科大学院生、筆者(左から2人目)、大阪産業大学 花之内先生(右から3番目)と共同研究。新規半月板scaffoldを用いた治療整形外科実験室での風景縫合不能な半月板損傷1234変性半月板の切除半月板scaold移植scaoldの固定自己組織に置換学学連携研究で進めており、スポーツ選手から高齢者の方まで多くの人々のQOL向上に寄与できると信じています。大阪医科薬科大学からはじまる日本初の半月板治療をできるだけ早く臨床応用できるよう取り組んでいます。連携:関西大学、大阪産業大学、   グンゼ(株)、(株)プロテクティア~膝治療から健康寿命の延伸を!~【医学部 整形外科学教室】半月板研究を中心とした新規膝治療の開発 超高齢化社会に突入している日本では、平均寿命のみならず、いつまでも心身ともに自立し、健康的に生活できる健康寿命の延伸が重要課題と言えます。現在、変形性膝関節症の患者は日本で2,500万人以上とも言われており、これまで支援する立場であった方が、支援を受ける患者へと立場が変わることも多くなっています。 変形性膝関節症は軟骨とともに半月板損傷の影響が非常に大きい疾患です。「半月板」とは膝関節の中にある三日月型をした組織で関節内のクッションと安定性の役割をはたしており、損傷すれば、屈伸の際に痛みやひっかかりを感じ「生活の質(QOL)」を低下させます。海外では人工半月板、同種半月板移植、そして半月板scaold(自己組織置換型半月板)の移植といった治療の選択肢がありますが、日本における半月板治療は縫合か切除のみで、切除後は変形性膝関節症に移行する可能性が高くなり、新規膝治療の開発が待ち望まれています。 そこで私たちは、日本医療研究開発機構(AMED)の2016年度医工連携事業化推進事業に採択され、産学パートナーシップとして日本初の半月板scaoldの開発を、「グンゼ(株)」そして「(株)プロテクティア」とスタートさせました。安全性を第一に考えた新規治療を確立するため、すでに臨床応用されている基材を中心に研究を行いました。また、手術後評価向上のための研究にも力を入れており、関節内組織の柔軟性や緊張の評価のために用いるプローブセンサの開発を大阪産業大学と行っています。1回の手術で損傷した半月板がすべて自分の組織に置換され治る、夢のような安全性の高い治療を産学及び、301SDG2SDG5SDG6SDG7SDG8SDG10SDG11SDG12SDG13SDG14SDG15SDG16SDG3SDG4SDG9SDG17SDG

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