大阪医科薬科大学 サステナビリティ活動 2021
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長所を活かした特色あるカリキュラムとなっています。 また、新たな取り組みとして、数理科学に基づいたデータサイエンス・人工知能(AI)を系統的に学習できるための教育課程一貫型のカリキュラムを作成しています。高校における情報科目と連結したデータサイエンス概論、数理科学との連結、医療におけるAIの活用と課題、医療人の在り方、さらには情報駆動型社会であるSociety5.0における倫理や法制度について学修します。 教育の国際化の推進も特色の一つです。学部教育センターと中山国際医学医療交流センターが連携して、海外の大学との相互短期留学や単位認定のみならず、正規の「単位互換制度」を導入して、教育のグローバリゼーションを一層推し進めることで、国際的視野をもった良質の医療人の育成を行っています。 本学は「建学の精神」及び学是である「至誠仁術」に沿い、社会のサステナビリティに貢献する医療人を育成するために大学が一丸となって教学の向上に取り組んでいます。大学統合以前より、大阪医科大学では「教育戦略会議」が、大阪薬科大学では「内部質保証委員会」が全学的な教学の方針決定や企画等を行い、大学としての内部質保証を推進してきました。大学統合後も、新たに位置づける全学内部質保証推進組織の下、各学部等組織が教育活動を実践して自己点検・評価を行うことによって教学システムのPDCAサイクルを適切に稼働させ、さらなる質の向上に繋げていきます。 また、教学IR (Institutional Research) 部門による教育内容の情報収集、データ整理と検証に基づく改善と向上、及び『FD&SD「教育・研究集会」』等による全学的な教職協働の推進と実働が本学の教育水準をさらに高いものにしています。 医療系教育を取り巻く環境は、社会情勢の変化、生命科学の発展により、急激に変化しています。とくに近年、医療界は、「高度先進化医療による新知識や新概念の登場」、「医療の細分化と、それに対峙する総合診療の必要性」、「生命科学の飛躍的発展と新たな生命倫理問題の登場」、「ユビキタス社会の到来による高度情報化社会」、「患者の知識増大と権利意識の増大」など様々な方向から大きな影響を受けて急速な変容が進んでいます。現在の医療が抱える課題は、このような技術革新とそれに付随する生命倫理的問題から、超高齢化社会の到来と医療資源の不足などの公衆衛生的なものまで多様性に満ちています。それゆえに、それらの要求に対応し、社会のサステナビリティ維持に貢献できる医療人を育てる教育が必須です。 このような急激かつ継続的に変化し、かつ予測が困難な現状に対し、「教育」は以前の知識獲得を第一とする方向から、「自ら課題を発見し解決を目指す」アクティブラーニング主体へと変貌しています。本学においては、学生がアクティブラーニングの姿勢を保ちながら、教育課程のロードマップの中で、着実に学修成果(アウトカム)を獲得してそれを蓄積し、学修目標(コンピテンス)に到達できるような教育環境を整えることを重視しています。 本学では、医学部、薬学部、看護学部の3学部合同カリキュラムである教育課程一貫型の「多職種連携論」の充実を図っています。本カリキュラムは、早期(低学年)の合同講義から始まり、中高学年における医療倫理課題に対する合同ディスカッション、さらには高学年における合同カンファレンスと合同臨床・臨地実習などから構成される教育課程一貫性のプログラムです。卒業後臨床現場で直ちに医薬看のチーム医療を実践できることを目的とする、医療系総合大学としての社会貢献211SDG2SDG5SDG6SDG7SDG8SDG10SDG11SDG12SDG13SDG14SDG15SDG16SDG17SDG9SDG3SDG4SDG

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