大阪医科薬科大学 サステナビリティ活動 2017
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88第三者意見■コミュニティへの参画 少子高齢化がますます進む日本。最も求められるのは、子どもと老齢者への配慮である。そうした状況下で、大阪医科薬科大学のサステナビリティ活動は、きわめて重要だ。 なぜなのか。それは、大学が七つの「ディプロマポリシー」のもとで医師を養成し、四つの「病院理念」のもとで、病院が運営されているからである。 たとえば、【社会的責任の項目】では、「最優の医療系総合大学・学園」を目標に、「教育」と「医療」と「研究」、三つの「質の向上」をベースとして、「社会的責任」を果たすことを目指している。 医療ではCTハイブリット手術室やダビンチを用いたロボット手術など、最先端の高度先進医療を取り入れ、患者や学生の高い満足度をえている。 また、【社会貢献活動の項目】では、「教育」「研究」「医療」の3領域をミッションとしていることが明らかにされている。 我が国の平均寿命は、世界に誇るものだ。が、単なる長寿ではなく、「健康寿命」を伸ばすことが社会貢献につながる。学校法人大阪医科薬科大学では、この「未病の予防」、「健康寿命」を通じて社会貢献を図っている。教育面では、総合的な医療人養成のための研修として、安心・安全な医療技術のトレーニングを実施。地域住民が安心して暮らせるための「救急医療部」を設置し、この医療を本学校法人の特色である「医学」「薬学」「看護学」を学んだ医療人が、「チーム医療」で取り組んでいる。高齢化に伴う疾病構造の変化には、「がんセンター」での取り組みなどによる地域中核病院として、その役割を果たしている。関西大学との連携による「医・工・薬連環科学教育研究事業」、「高大連携活動」、「産学官連携活動」を行い、社会貢献に努めている。 さらに、【社会還元活動の項目】をみれば、「教育・研究・医療」とは別に、「コミュニティへの参画」「雇用の創出」「富及び所得の創出」による「社会還元活動」が分明になる。 医学生、薬学生、看護学生がボランティア活動を通じて、地域住民とふれあう。 阪神淡路大震災の教訓から、「災害拠点病院」の指定を受け、その役割を果たす。そしてまた、平成28年の熊本地震での支援活動や市民を対象とする「公開講座」など、学校法人大阪医科薬科大学に好感と敬意を抱きつつ、この冊子を読み終えたのだった。学校法人大阪医科薬科大学の『サステナビリティ活動冊子』を読んで日本私立学校振興・共済事業団 理事長 河田悌一

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