大阪医科薬科大学 サステナビリティ活動 2017
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68「医療」と「教育」が融合する他に類を見ない「LD診療」【大阪医科大学LDセンター】■治療と健康 平成13年に設置された大阪医科大学LD(学習障害)センターは、発達障害児童(LD、ADHD、ASD)に対して、「医療」と「教育」の融合による診療を行う施設で、日本では唯一のものです。 LDセンターは、これまでも医学、教育、福祉など様々な領域から全国レベルで高い評価と信頼を得てきました。27年度に講演会・研修会に参加申し込みをされた方は述べ4843名で、前年度に比較し700名以上も増加しており、参加地域別の内訳は、約80%の方が近畿圏内からの申し込みでした。近畿圏外では東海、中国地方が多く、関東甲信越や北陸、九州・沖縄からの参加者も増加傾向にあります。このように、広範囲な地域からの参加があり、知名度はかなり上昇しています。また、LDセンターでは今後の更なる進化と方向性を考えるために、28年度に一部の講演会参加者にアンケートを実施したところ、講演会内容についての満足度は、約85%の方が「とても役立った」「役立った」と回答され、リピーターの方が約80%を占めていました。 LDセンターでは、学習障害指導プログラムの理解を深めていただくためLD診療セミナーを開講し、テキストを出版しています。また、ダウン症療育についても体操指導から言語指導に至るまでのテキストを監修し、好評を得ています。附属病院小児科において診断・投薬による治療を行っているほか、LDセンターにおいてはASD幼児のソーシャルスキルトレーニングを行い、小学生・中学生の読み書き障がい(ディスレクシア)児童へは学習支援・ビジョントレーニングを、またダウン症児には体操教室から言語指導まで行っています。今後は小児の高次脳機能発達を研究する組織を構築し、学習障害の基礎的研究から指導法の開発研究までを行う体制が必要となります。このようにして地域社会の貢献と期待に応えていきたいと考えています。学習指導内容LDクリニック小児神経科医による発達障害の診断評価・指導部門LD学習クラス:読み書き障害の評価・指導タンポポ教室:ダウン症児の運動発達・言語・認知訓練(就学まで)ビジョンセラピー:オプトメトリストによる眼球運動・視知覚・視覚-運動協応などの評価・訓練作業療法:作業療法士による机上学習にかかわる姿勢運動・手先の巧緻性等の評価と訓練面談・教育相談:教師・保護者向けの学校・家庭でのアドバイス教師・保護者・療育関係者への講演会・研修会の企画発達障がい児の評価や訓練用の検査・教材開発のための研究と実践開発した検査・教材、パンフレットの販売研修開発部門研究部門販売部門

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