大阪医科薬科大学 サステナビリティ活動 2017
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57社会貢献事例2 大阪医科大学は、高槻市の基本理念である「すべての高齢者が、自分らしく充実した人生をおくることができる安らぎの社会の実現」のために、高槻市が活動の核に据えている「地域包括ケアシステムの構築」と「認知症高齢者支援策の充実」に必要な「医療・福祉・介護専門職の人材育成」を支援するための「認知症対策プロジェクト」を始めました。 これまで大阪医科大学病院は、特定機能病院として高度急性期医療を提供すると同時に、地域包括ケアシステムの整備や認知症高齢者の支援に貢献してきました。また、本学は教育研究機関として、認知症対策に関する情報発信や新たな知見の提供、地域医療人の育成も行っています。高槻市との共同サステナビリティ事業として、大阪薬科大学、高槻市医師会、高槻市歯科医師会とともに、これまでの経験を生かした認知症高齢者の医療・介護・福祉に関わる専門職の人材育成のための教育・研修プラットフォームを形成し、地域包括ケアシステムの中で医療・福祉・介護専門職として活動・活躍している人材の能力強化及び開発を行う予定にしています。(大阪医科大学 神経精神医学教室 教授 米田博)認知症対策プロジェクト(高槻サステナビリティ貢献事業プロジェクト-その3)認知症対応能力向上のための多職種人材育成プログラム認知症の早期発見、早期介入と問題行動・終末期への対応研修口腔ケアと食事支援に関する認知症介護職人材育成プログラム食事の支援、嚥下障害への対応研修日常生活活動能力向上のための多職種人材育成プログラム運動機能や日常生活活動能力低下を防ぐために必要なリハビリテーション・運動療法研修運動及び栄養管理のための多職種人材育成プログラム栄養状態の把握、その悪化を防ぐために必要な栄養サポート研修事例3 半月板とは膝関節の中にある三日月型をした組織で、関節内のクッションと安定性維持の役割を果しています。半月板が損傷しますと、屈伸の際に痛みやひっかかりを感じ生活の質(QOL)を低下させます。疾病の訴えが持続すれば手術を検討しますが、日本における半月板治療は縫合か切除のみで、切除後は変形性膝関節症に移行する可能性が高くなります。一方海外では人工半月板、同種半月板移植、そして半月板scaoldの移植といった選択肢もありますが、日本にはそのような手術の選択肢はありません。 私たちは、日本医療研究開発機構(AMED)の平成28年度医工連携事業推進事業の支援を受け、1回の手術で損傷した半月板がすべて自分の組織に置き換わって治る、夢のような日本オリジナルの半月板開発を、繊維資材大手の(株)グンゼ、そして大阪大学発ベンチャーの(株)プロテクティアと一緒に進めています。これが臨床応用されれば、スポーツ選手から高齢者の方々まで多くの人々のQOL向上に寄与できると信じています。大阪医科大学からはじまる新しい半月板治療を東京オリンピック開催の頃までにお届けできるよう頑張っています。(大阪医科大学 整形外科学教室 講師(准) 大槻周平)自己組織置換型半月板を用いた治療を目指して(AMEDプロジェクト)認知症高齢者に対してより良い医療・福祉・介護サービスの提供が可能となる。教育・研修プラットフォームの4本の柱1234

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