大阪医科薬科大学 サステナビリティ活動 2017
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56図2:オーラルフローラからの病態解明につながるゲノム等の統合解析 大阪医科大学並びに大阪薬科大学は、医学(医療)、薬学(創薬等)の両面の研究活動を中核に、高槻市をはじめとする自治体・産業界・他大学等との地域連携や産学官連携研究、日本医療研究開発機構(AMED)補助金による研究、文科省・厚労省等からの競争的資金を原資とする研究など、多様な取り組みを活発化させています。 大阪医科大学では、平成29年度から、高槻市をはじめとする地域社会における「COC(Center of Community)=地(知)の中核拠点」として教育、研究並びに医療の中核となるべく、大学が一体となった研究成果の積極的な展開を図っています。例えば、健康寿命の延長をキーワードとする「食育とオーラルケア」、高齢化に伴い急増する認知症患者に対する医療人の人材育成プロジェクトや、関西大学、大阪薬科大学と本学による市民や小中学生を対象とした教育に関する医工薬連環プロジェクトを高槻サステナビリティ貢献事業として実施しています。また、大阪医科大学の臨床研究の成果を医療機器や医療材料の開発を目的としたAMEDに多数採決されており、それぞれの概要を紹介します。最新の研究活動事例の紹介【大阪医科大学/大阪薬科大学】■技術の開発及び技術へのアクセス事例1 日本は超高齢社会から超超高齢社会に突入しています。高槻市においても高齢化がさらに進み、高齢者が安心して生き生きとして暮らせる街づくりが強く求められているところです(図1)。自分の口で美味しいものを食べ、楽しく会話をすることは高齢者の楽しみでもあり、健康維持にも欠かすことのできないものです。そして食を通じた栄養摂取や体操に関する健康教育(=高齢者の食育)も高齢者の健康寿命の延長には不可欠です。近年、オーラルケアは、糖尿病、循環器疾患、関節リウマチ、認知症などの発症や全身フレイル(運動機能低下)の予防につながることが医学的に解明され始めています。このプロジェクトは、「食育とオーラルケア」 をテーマとして高槻市商工会議所、高槻市、大阪医科大学の産官学が一つになり、高槻市の高齢者が安心して暮らせる 「地(知)と健康の街“高槻”」を目指し、市民公開講座、オーラルフローラのゲノム・プロテオトーム等統合解析からの病態解明研究(図2)、「ますます元気体操」などを実践しています。(大阪医科大学 口腔外科学教室 教授 植野高章)「食育とオーラルケア」 ‒産官学が一体となった「地(知)と健康の街“高槻”」推進プロジェクト‒(高槻サステナビリティ貢献事業プロジェクト-その2)高齢者人口の推計平成25年・26年度は住民基本台帳(9月末現在)・ 平成27年度以降は推計値(第6期介護保険事業計画用人口推計シート)20,000040,00060,00080,000100,000120,00085歳~平成25年度9521300715144025.5平成26年度10200310675347226.7平成27年度10832325285373527.4平成28年度11555344695283028.0平成29年度12281363385137928.4平成30年度12968377344983228.7平成31年度13619391184785928.9平成32年度14358392654682929平成33年度15296385844623929.1平成34年度16096399784337629.1平成35年度16770416394039829.175歳~84歳65歳~74歳高齢化率ゲノム・メタボローム・ プロテオトーム統合解析自己免疫疾患誤嚥性肺炎糖尿病循環器疾患オーラルフローラ解析認知症悪性腫瘍図1:高槻市の高齢者割合の推移(看護学部 吉田久美子教授より)

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