大阪医科薬科大学 サステナビリティ活動 2017
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36 医療の高度化・複雑化に伴い、医療現場は潜在的にリスクが高い状況にあります。このような背景の中、安全確保の観点からもチーム医療の重要性が高まり、薬剤師を取り巻く環境も大きく変化しています。多種多様な薬物療法の進歩に伴い、薬剤師にはチーム医療の一員として薬剤業務をオールラウンドにこなすジェネラリストとしての役割と、特定の疾病や領域に対する高い専門性が要求され、スペシャリストとして成果の見える活動が望まれています。 大阪医科大学病院では、医薬分業や医薬品SPD※1の導入などを契機に、薬剤関連業務の効率化と標準化を図り、10年以上前からICUやNICU、手術室を含む全病棟に薬剤師を配置しています。全薬剤師がすべての薬剤業務に携わる横断的な体制で「薬あるところに薬剤師あり」を実践し、病棟配置薬の管理運用統一や、多職種による患者アレルギー情報の共有システムを構築するなど、薬剤師主導で病院全体の業務改善にも取り組んできました。業務プロセスを可視化し、手順やチェックリストを整備することによって、いつ、どこで、誰が何をすべきかが明確になり、遵守状況の相互確認も定着しています。 その結果、本院の医薬品安全管理体制は、病院機能評価などを通して外部から高い評価を得ています。平成28年には特定機能病院の承認要件として医療安全管理体制の強化が新たに追加され、医療安全管理部門への薬剤師の専従化が義務付けられました。最大の目的は、より安全で適正な薬物治療を患者様に受けてもらうことです。なぜこの業務が必要か、今の方法がベストか、より良い方法は他にないかを常に考えながら、PDCAサイクル※2による品質マネジメントシステムを回し続け、医療の質向上・安全確保に努めています。※1 SPD:Supply Processing & Distribution(供給/加工/流通・分配)※2 薬物治療のPDCAサイクル安全で適正な薬物治療のために -薬あるところに薬剤師あり-【大阪医科大学病院薬剤部】■消費者(患者様/学生・生徒等)課題薬物治療のPDCAサイクル+日常的なコミュニケーション病棟薬剤業務(Plan)患者/医薬品情報の収集・提供持参薬確認、処方設計・提案投与前の説明、処方監査服薬指導(Action)副作用モニタリング、服薬説明薬学的患者ケア、退院時指導薬剤管理(Check)薬歴確認、服薬/使用状況確認、治療薬物モニタリング調剤(Do)患者情報に基づく調剤(→包化、粉砕、簡易懸濁)(ルート/速度確認)プロセス・アウトカムの創出医療の質・安全確保

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